『Competing in the Age of AI』の翻訳版をグロービスの吉田教授からいただきました。
この本はハーバード・ビジネス・スクールのDX講義用教科書で、AIファーストカンパニーとして知られるアマゾン、ネットフリックス、エアビーアンドビー、アント・グループの事例を掘り下げ、AIをビジネスの中核に据える新しい経営手法を提案しています。
この本は、AIとデジタル技術が企業運営に与える影響を深く探求し、以下の主要なポイントを強調しています:
- AIを経営の核とする:AIファーストカンパニーは、AIを単なる補助ツールとしてではなく、ビジネスの中心に据えています。これにより、ビッグデータとアルゴリズムを重要な資産として活用し、データパイプラインや実験プラットフォームなどを含む「AIファクトリー」を構築しています。
- デジタル・オペレーティング・モデルの重要性:従来型のビジネスモデルと異なり、AIファーストカンパニーのデジタル・オペレーティング・モデルは、規模と範囲の拡大が価値の逓増につながる仕組みです。AIの学習を促すことで、ビジネスのスケール化とスコープの拡大が容易になり、グッドサイクルが生まれます。
- オペレーションと戦略の統合:AIの導入により、従来のオペレーションとビジネスモデルや戦略の間の垣根を取り払い、これらを強く融合させることが求められます。これにより、企業は新しい市場や顧客層にアプローチする機会を得ます。
- 日本企業における遅れの認識と対応:日本企業はDXやAIの活用において遅れており、追いつくためにはトップのリーダーシップと戦略的な投資が必要です。グローバル競争が強まる中、日本企業はこの遅れを自覚し、対応策を考える必要があります。
- 時代に即した内容:2020年に出版された原書は、一部古く感じる部分もありますが、2023年現在でも通用する内容が多いです。テクニカルタームが多いですが、これからの企業経営を考えるビジネスリーダーにとっては、重要な一冊です。